活動報告
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短期課程 樹木医養成講座(入門編)
短期課程で樹木医養成講座(入門編)を10月14日から16日までの3日間開催しました。
1日目は、「樹木医的な木の見方を体験しよう」がテーマです。
樹木をじっくりと観察するために必要な「きのこ」「胴生え・ひこばえ」「虫・花」など8つのキーワードが提示され、敷地内の樹木から発見していきます。
「このセンダンについているコケは、つくこと自体は木への影響はなく、幹が太っていく中ではがれていきます。だから木が健全かどうかの目安になります。」といったお話など、
今までの知識と異なることもあり、皆さん熱心に聞いていました。
次に、図鑑を使っての樹木の検索の仕方の学習。外に出てまずは自力で図鑑を見て調べてから、樹木名を講師が教えるといった方法で「タラヨウ」「ホルトノキ」など20種類以上の樹木名を調べながら観察しました。
2日目は、まず座学で森林技術センターの藤本主任研究員に「樹種ごとの性質と病害虫について」講義頂きました。それから実際に樹木を診断してみようということで2人グループに分かれて診断書を各自で記入していく演習をしました。
研修生の皆さんはいきなりの診断書記入に最初は戸惑いがあった様子でしたが、相談しながら樹木を見て、しっかりと観察していました。その後、グループごとに樹木を見ながら気づいたことを発表して、講師から解説をして頂きました。
解説を聞いて、気づかなかった点、樹木の状態を深く知ることができ、とても有意義な時間となりました。
3日目は高知県立牧野植物園を訪れ、樹木医でもある教育普及園管理班長の藤井聖子氏に講義して頂きました。
牧野植物園の紹介、牧野植物園としての樹木管理の説明をして頂き、具体的な樹木の鑑定の仕方を学ぶことができました。
午後からは園内を散策して、実際に土壌改良や回復事例を見学しました。藤井さんが処置を行った不定根誘導や中々見ることのできない細かい樹木の回復事例を解説頂き研修生の皆さんは興味津々に聞いていました。
研修生の皆さんからは「身近な樹木がこんなにも見方が変わるととても面白いんだ」「地元の弱っている樹木の回復、保全に役立てたい」といった感想がありました。
この3日間で経験したことで少しでも樹木に興味を持ち、樹木医の資格取得や、地域の樹木の保護に役立ててほしいと思います。
お世話になりました森林技術センターの藤本さん、樹木医の中田さん、秋澤さん、牧野植物園の藤井さん、どうもありがとうございました。